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YouTube【今日のハングルニュース】_2016年6月23日~イギリス国民投票でEU離脱(영국・국민투표로 EU이탈)。「それでも私達には希望がある。変化を起こすことができる」(残留派20代女性)~のキム先生の音声動画もリスニング練習などにご活用ください。

Contents

イギリス国民投票(국민투표)でEU離脱(영국・국민투표로 EU탈퇴)

こんにちは、キム先生の旦那のぼくでんです。

2016年6月23日、EU(ヨーロッパ連合/유럽 연합)からの離脱の賛否を問う国民投票(탈퇴의 찬반을 묻는 국민투표)において、「離脱派」(탈퇴파)過半数を占めました(과반수를 차지했다)。

イギリス選挙管理委員会によれば(영국 선거관리위원회에 따르면)、投票率は72.2%。

「EU残留(잔류)」が48.1%(1614万1241票)

「EU離脱(탈퇴)」が51.9%(1741万742票)

この結果を受けて、キャメロン英国首相(캐머런 영국 수상)は、「国民の決断は尊重されねばならない」(“국민의 결단은 존중돼야한다”)と述べました。

そして、「英国国民は明確に違う道を選択したことで、新たな指導者が必要だ」(“영국 국민은 명확히 다른 길을 선택했으므로 새로운 지도자가 필요하다”)と述べ、10月の保守党大会(보수당 대회)をもって首相職を退くと、「辞意表明」(사의 표명)をしました。

また、前例のない事態に金融市場は動揺している中(전례 없는 사태에 금융시장이 동요하고 있는 가운데)EUの将来にも重大な影響が及ぶことになりそうです(EU의 장래에도 중대한 영향을 미칠 것으로 보입니다.)

 

この間、イギリス国民投票関連のニュースを見ていて感じたのは、「去るも地獄、残るも地獄」(떠나는 것도 지옥, 남는 것도 지옥)というイギリス国内の格差社会(격차 사회)の現実です。

この現実への怒り(현실에의 분노)は、2つのベクトル(벡터)を持っていて、そのベクトルが合成され「離脱」の力となったように感じます。

「若者対老人」の対決(“젊은이 대 노인”의 대결)とか、投票後に“What is the EU?”(EUって何?/EU가 뭐야?)というキーワードでの検索数が急上昇したことから、よく分からないまま投票してしまった人が多いと報道されています。

しかし、単純にそういうことではないのではないでしょうか?

やはり、イギリス国民を「離脱の選択」に突き動かした社会的背景(사회적인 배경)が必ずあるはずです。

今後、21世紀の国際社会を語る上で避けて通れない大問題なので、韓国人と話す際にも必要となってくる、一定の基本的視点(기본적인 시점)と「イギリスEU離脱」関連のハングル時事用語をまとめていきたいと思います。

 

 

「金融国」(금융국)イギリスの支配層・エリート層(엘리트층)への怒り

その一つは、「金融国」(금융국)イギリスの支配層・エリート層(엘리트층)への怒り、格差社会の現実への積もり積もった怒りの爆発です。

また、キャメロン首相へ“No!”を突き付ける、「キャメロン不信任」としての投票行動という側面もあったようです。

国民投票前、インタビューに答える多くの労働者たちは、「EU残留を主張するエリートに騙されない」(EU잔류를 주장하는 엘리트에게 속지 않는다)と答えていました。

 

 

EU支配への怒り

もう一つの怒りは、EU支配への怒りです。

そして、EU支配への怒りについては、その二面性においてとらえるべきでしょう。

①ドイツ主導(독일 주도)のEUに加盟していることで被っているイギリスの不利益(불이익)への怒り

イギリスの労働者・農民・漁民には、EU加盟によってもたらされた不利益への怒りがあります。

これは、日本においても、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)問題として、今後現実味を帯びてくる問題でもあるでしょう。

例えば、EU加盟によって地場産業の漁業が壊滅的打撃を被った世界有数の港町だったグリムズビー。

「町の魚はすべてアイスランド、ノルウェー、デンマークに持って行かれました。この近海にはもはやイギリスの船はなく、すべて外国の船なのです」と、鮮魚店を営むネイサン・ゴッドリー(42)さんは語る。

漁業関係者のジョン・ハンコックさん(58)も、「EUが漁業をメチャクチャにした。30~40年前には400あった船が、いまでは5~6しかない。俺たちの海なのに、なぜ漁に出られないんだ。漁獲割り当ての決定権はEU本部が握っている」と怒りをあらわにする。

背景には、EUから課せられている漁獲制限があります。

さらに、EU加盟国の漁船がイギリス領海近くで操業することも可能となり、町は衰退の一途をたどりました。

アバンディー大学の調査によると、イギリスの漁師の92%が「離脱」に賛成しているといいます。

さらにハンコックさんは、「これは銃弾を使わない“第三次世界大戦”だ。ドイツが欧州全土を支配しようとしている」とまで語っています。

 

②イギリスの支配層が格差社会・国内政策の失敗を外的要因に向けさせようと、人為的に作り出した「EU支配への怒り」という側面

イギ20160623_英国EU離脱②リス独立党党首ナイジェル・ファラージらが、移民問題と、後に国民投票後にウソと分かった「EU拠出金」問題で国民を煽りまくった結果、「EUへの怒り」が人為的に作り出されました。

 

 

 

 

そもそも「離脱派」の主張は何だったのか?

移民問題(이민 문제)

「離脱派」の主張の一つは、移民問題(이민 문제)。

昨年2015年、EU加盟国からイギリスへの移民は18.4万人余と過去最高を記録。

「EUは雇用破壊機関だ。南ヨーロッパを見れば分かる。そればかりか何とこの国の雇用も破壊されているではないか」(ボリス・ジョンソン前ロンドン市長)。

「離脱派」は、この移民の流入を制限できれば、イギリス国民の社会保障費の負担が減り、雇用環境が改善すると主張しました。

しかし、国民投票後、EUから離脱しても、移民の抑制は不可能とその主張を変えています。

 

「EU負担金」問題(분담금 문제)

さらに「離脱派」は、毎週3.5億ポンド(約530億円)のEUへの負担金(분담금)があり、離脱すればこれを医療財源(의료 재원)に充てられると主張していました。

しかし、国民投票後、「離脱派」がこの拠出金の額を3倍に水増ししていたウソが明らかになっています。

Twitterには、「私は嘘つきたちを信じて“離脱”に投票したけど、とても後悔している。私の投票は奪われたと心から感じる」と書き込まれています。

別の若い女性も、「(離脱派は)ウソをもとに投票させられたのよ」と怒ります。

 

 

イギリスはEUから「去るも地獄、残るも地獄」(떠나는 것도 지옥 남는 것도 지옥)

ニュースを通して聞こえてくるのは、「目の前の苦しさから逃れたい」(눈앞의 괴로움으로부터 피하고 싶다)、「現状を変えたい」(현상을 바꾸고 싶다)という声です。

EUから離脱しても、さらに大きな困難が待ち受けているにもかかわらず、「離脱」を選択せざるを得ない、イギリス国内の厳しい現実が見えてきます。

 

「イギリス分裂」(영국 분열)の可能性

スコットランド独立(스코틀랜드 독립)の可能性

今回の国民投票の結果は、「イギリス分裂」(영국 분열)という新たな火種になるかもしれません。

今回の投票で「残留」派が多数を占めたスコットランド。

そのスコットランドでは、2014年9月に一度実施された、「イギリスからの独立(독립)」を問う住民投票(주민 투표)を再び行う機運が高まっています

スコットランドの地元紙が6月24日実施した世論調査(1600人対象)では、独立賛成が59%、反対が32%という結果が出ています。

スコットランド自治政府・スタージョン首席大臣も、「イギリスからの独立を求める住民投票も視野に入れている」とコメントを発表しました。

 

ロンドン独立?

「ロンドン独立を求めるサイト」でも、ロンドンがイギリスから独立してEUに残るべきと、17万人以上が賛同しています。

現実的かどうかは別として・・・。

 

「離脱ドミノ」(이탈 도미노)-EU内の“反EU”勢力(“반EU”세력)

今回のイギリス「EU離脱」が、「離脱ドミノ」(이탈 도미노)となる可能性もささやかれています。

EU内の“反EU”勢力(“반EU”세력)をいくつか上げると・・・、

フランスの「国民戦線」

ドイツの「ドイツのための選択肢」

イタリアの「五つ星運動」

EUへの求心力が揺らぐ中、EU内の“反EU”勢力が攻勢を強めてくる可能性があると言われています。

 

スペインの“反EU”政党の「ポデモス」は議席数伸ばせず

イギリス国民投票の直後の6月26日、スペイン上下両院の議会選挙が行われ、“反EU”政党の「ポデモス」が第3党から第2党に躍進するか注目を集めていました。

しかし、結果は、開戦前と同じ議席数に終わりました。

スペイン国民は、「離脱」を選択したイギリスの混乱を見て、安定性を求めたようです。

 

 

そんな中、希望も芽生え始めています。

イギリスでは国民投票後、“What is the EU?”(EU가 뭐야?)の検索件数が急上昇~真剣さの証拠~

国民投票の結果が出た直後、イギリスでのインターネット検索で急上昇した言葉。

それが、「EUって何?」(EU가 뭐야?)

EUが何かよく分からないまま投票した人が、イギリスには沢山いると報道されています。

そして、多くの人が投票後に真実を知り、後悔しているのも事実でしょう。

でも、たとえ国民投票後だろうが、イギリス国民が真剣に自分たちの未来を考え直し、自らの手でそれをつかみとろうとしています。

 

国民投票のやり直しを求める声

イギリス下院の請願サイト(10万人の署名で審議対象)への、「国民投票のやり直し」を求める署名は370万を超えました(6/27午後10時現在)。

「離脱」に投票した人の中にも・・・、

「本当にEU離脱になってしまい、家族もみんな後悔しています(후회하고 있습니다)」

「投票所に戻って“残留”に投票したいです」。

 

「天国のジョーは楽観的でいることだろう」(暗殺されたジョー・コックス労働党下院議員の夫)

今回の国民投票直前、EU残留を訴えていた労働党女性下院議員のジョー・コックスさんが、極右思想を持つ男に殺害されるという、悲しい出来事が起きました。

しかし、国民投票後、夫のブレンダンさんは、「天国のジョーは楽観的でいることだろう」とメッセージを発しています。

投票後も声をあげる若者たち

以下、TVニュース映像に映し出された、イギリスの若者たちの声です。

国民投票直後から、離脱に抗議する残留派の若者らによる抗議活動が展開されています

ロンドンでは国会議事堂の前に「残留派」が集まり、投票結果の撤回などを要求しました。

そこで掲げられたプラカードには・・・、

“UNITY IS STRENGTH”(EUの単一性こそ強み)

“VOID THE REFERENDUM”(国民投票は無効)

 

「右翼団体や右翼政党が勝利を祝うような国は異様だ。私たちは大きな変化を起こさなければならない」(20代女性)

「なぜ僕の人生は将来の利益が手に入るかどうかも分からないような上の世代に決められなきゃいけないんだ」(20代男性)

「16、17歳の声は聞いてもらえなかった。90歳の老人のほうが私たち若者の残りの人生を決める力が強いなんて」(10代女性)

「年寄り世代が僕らの将来を決めてしまった」(23歳男性)

「離脱は馬鹿げているし、自殺行為です」

「25歳未満の75%が“残留”を支持したのに」

「キャメロン首相は、こんな国民投票を行うなんて無責任です」

「結果にショックを受けています」

「イギリスのEU離脱は経済的な豊かさや移動の自由を損なうだけではなく、人々の声が届かなくなってしまうのが残念」

「ヨーロッパの労働者の権利を守れ!」

 

希望に溢れる20歳の「残留派」女性の声~「私たちには希望がある。変化を起こすことができる」~

「(投開票は)長い夜だった。そしてこれから先の見えない、もっと長い夜が待っている」と金融街のエリートが嘆く一方で、

残留派の20歳の女性は、「諦め」という言葉を知らないかのように、こう語っています。

「私たちには希望があります。変化を起こすことができるのです」(우리에게는 희망이 있습니다. 변화를 일으킬 수 있습니다.)

 

 

“イギリス国民投票でEU離脱(영국・국민투표로 이탈)”のハングル時事用語単語帳

(1) 탈퇴의 찬반을 묻는 국민투표 離脱の賛否を問う国民投票
(2) 과반수를 차지했다 過半数を占めた
(3) 영국 선거관리위원회에 따르면 イギリス選挙管理委員会によれば
(4) 잔류 残留
(5) 탈퇴 離脱(脱退)
(6) 캐머런 영국 수상 キャメロン英国首相
(7) “국민의 결단은 존중돼야한다” 「国民の決断は尊重されねばならない」
(8) “영국 국민은 명확히 다른 길을 선택했으므로 새로운 지도자가 필요하다.” 「英国国民は明確に違う道を選択したことで、新たな指導者が必要だ」
(9) 보수당 대회 保守党大会
(10) 사의 표명 辞意表明
(11) 격차 사회 格差社会
(12) 유럽 연합 EU(ヨーロッパ連合)
(13) 전례 없는 사태에 금융시장이 동요하고 있는 가운데 前例のない事態に金融市場が動揺している中
(14) EU의 장래에도 중대한 영향을 미칠 것으로 보입니다. EUの将来にも重大な影響が及ぶことになりそうです。
(15) “떠나는 것도 지옥, 남는 것도 지옥.” 「去るも地獄、残るも地獄」
(16) 현실에의 분노 現実への怒り
(17) 벡터 ベクトル
(18) “젊은이 대 노인”의 대결 「若者対老人」の対決
(19) 사회적인 배경 社会的背景
(20) 기본적인 시점 基本的視点
(21) 금융국 金融国
(22) 엘리트층 エリート層
(23) “EU잔류를 주장하는 엘리트에게 속지 않는다” 「EU残留を主張するエリートに騙されない」
(24) 독일 주도 ドイツ主導
(25) 불이익 不利益
(26) 이민 문제 移民問題
(27) 분담금 문제 「EU負担金」問題
(28) 의료 재원 医療財源
(29) “눈앞의 괴로움으로부터 피하고 싶다” 「目の前の苦しさから逃れたい」
(30) “현상을 바꾸고 싶다” 「現状を変えたい」
(31) “영국 분열” 「イギリス分裂」
(32) “스코틀랜드 독립” 「スコットランド独立」
(33) 주민 투표 住民投票
(34) “이탈 도미노” 「離脱ドミノ」
(35) “반EU”세력 “反EU”勢力
(36) “EU가 뭐야?” 「EUって何?」
(37) “후회하고 있습니다” 「後悔しています」
(38) “우리에게는 희망이 있습니다.” 「私たちには希望があります」
(39) “변화를 일으킬 수 있습니다.” 「変化を起こすことができるのです」
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